『イベントは「心に残るひと言」「他人に伝えたいひと言」を生み出す営みである。』−堺屋太一著「人を呼ぶ法則」
本を読むには旅に出るか、献血をするのが私にとってはベストのようです。家にいれば、何かするか寝ているか。仕事をすれば、忙しくしてしまう。強制的に、「非日常空間」を作ることで、ちょっとした隙間を作ることができます。
もちろん、旅の途中では現地でしか味わえないもの、そこに行ったからこそ楽しめることを欲張らずにしてきます。結局食べ過ぎたり、疲れすぎると気分が乗らなくなってしまうので、ほどほどが私にはいいようで。そんなことを思えるようになったのも、ある程度の年齢を経たせいでしょうか。
さて、旅の動機には「イベント」見学、体験、開催や出展なんていうのもあると思います。今日ご紹介する本は、日本で指折りの大イベントであった「大阪万国博」の仕掛人であり、この日本の万博を上回る数を集めた上海万博の海外アドバイザーで日本産業館出展合同会社代表 堺屋太一さんが書いた人を呼ぶ法則 (幻冬舎新書)です。最近、私も千葉・船橋市で異業種交流会の主催なるものを始めて、人を集めるためには、何が必要なのかな。という思いもあって、(万博と交流会ではあまりに規模が違いますが。)本を買ってみて気づきました。そういえば、堺屋太一さんって、私が通った社会人大学院の学督で(私の在学中にはもう堺屋さんの講義はなくなっていましたが。)、イベントに関する講義も設定されていたなぁ。なんて。そうかぁ、あのとき、もう少し欲張ってイベントの講義取っておけばよかったという後悔も持ちつつ、その分この本で吸収すればいいかと気を取り直して、読み始めました。
この本では、大阪万博が開催されるまで。その後、たくさんのイベント・博覧会が企画され、テーマパークも作られましたが、うまくいかなかったその理由。そして、沖縄海洋博や北京万博で堺屋氏が考えていたことや、コンパクトにまとめられています。
たとえば、
イベントとは
「臨時的な装置と演出によって
非日常的な情報環境を創造し、
多数の人に対して、
通常では感じられない心理的肉体的な刺激を与え、
特殊な情報伝達状況を生み出す」
事業である。(p31)イベントは「心に残るひと言」「他人に伝えたいひと言」を生み出す営みである。(p34)
イベントは「ひと言」を作る場ですか。これができれば別の人にも伝わるというわけですね。
そして、今後参考になると感じたのはイベント「プロデュース10段階」。(p223)
1.意志の確立=理念の設定
2.コンセプト(概念)の明確化
3.ストーリー・メーキング
4.シンボルの設定
5.基本構想(プラン、スケジュール、仕組み)
6.基本設計(空間計画、運営構想、予算設定)
7.問題点の究明と相互関係の確認
8.実施計画
9.総点検
10.実施設計、実行スケジュール、資金計画の確認
新規の単発的な事業を起こすときにも参考になりそうです。プロデュースの際にはぜひこの10点を考えつつ、やってみようかな。そういえば最近そんなお話をお手伝いする話もありましたね。お役に立てればよいのですが。