『われわれは大量の情報が氾濫する時代を生きている。しかし、情報それ自身には意味はない。人間がアタマを使って情報に関わってはじめて意味を持つ』-楠木建著「経営センスの論理」

 いやぁ、夏ですね。アイスが美味しい!冷たい飲み物(特にビール<爆>)がありがたい。冷房は大発明だ。なんて、感謝したくなる今日この頃です。

 3年前のような長くて厳しい夏になるのか、注目ですね。

 少し更新は遅れてしまっていますが、地道に本は読み進めています。ここのところ、続けて新書を読んでまして、今日ご紹介するのは楠木建経営センスの論理 (新潮新書)。楠木さんといえばビジネス書の分野でベストセラーになった「ストーリーとしての競争戦略」 (Hitotsubashi Business Review Books)の著者で、現在一橋大学大学院の教授をなさっています。「ストーリーとしての競争戦略」では、常識では考えずらい組みあわせで成功されている企業の戦略を取り上げ、だからこそ競合が真似をしても、うまくいかない。その仕組みをわかりやすくストーリー仕立てで説明されていて、なるほどなんて思いながら読ませていただきました。私の住んでいるところに近いマブチモーターの成功例などは、目からうろこという感じでした。

 その楠木先生の本ですので、きっとわかりやすくのだろうなと思って読み始めると、「わかりやすい+身近+自分ネタが豊富」ということで、エッセイを読みながら、それが経営戦略の話につながる面白くて、ついでにためにもなる(ごめんなさい)というのが読後感です。

 第2章「戦略」の論理では、企業戦略と一緒に極私的な戦略論が登場。H&D戦略ということでH対抗戦略は髪を剃ってしまう。D作戦は筋トレで、おなかを目立たなくするという「攻撃は最大の防御」という論理を展開されています。

 タイトルに挙げたのは、第6章「思考」の論理から。(p219)現代社会は情報があふれている。「情報」が増えれば増えるほど「注意」が減る。仕事を「アウトプット」を挙げることと考えると、漫然とインプットばかりしていてもそれは「趣味」の世界で、アウトプットにつながる注意を向けられる対象どうやって「情報」を絞り込んでいくか。その対象を考える作業が大切になってくるとお考えのようです。大変参考になります。



 身近な出来事、話題から楽しく経営が学べる、考えるきっかけを提供してくれる手軽な新書です。是非ご一読を。

 

 今日はお盆で墓参り。その前に読書がはかどるあの場所へ行ってきます!