「隣家にお茶でも飲みに行くように」

今週もあっという間でした。もう来年に向けての各種準備が大詰め。気の抜けない毎日です。そんな中でセミナーとか新しいお仕事もいただいております。
箱根駅伝の予選会も荒天の中行われたようです。セリーグの優勝もそろそろ決まりそうですね。

2011年から2012年へのかけはしになるこの時期。今の仕事も大切。でも将来の備えもしっかりとしないと。我々のスタッフもあちこち動き回ってくれているみたいです。春にどうなっているかが楽しみです。

さて、今週読んだ本。福冨健一著「重光葵 連合軍に最も恐れられた男」


重光葵さんについては昭和初期の日本外交を支えた人ということで名前は知っていたのですが、どんなお仕事をされた方かはこの本で始めて知りました。
外交官としてイギリス・中国などで活躍。戦中には外務大臣も務め、終戦後の降伏文書調印もこの方が外相としてミズーリ号に乗り込んでいます。

この本で力説されていたのは、重光氏の外交方針により、第2次大戦中のアジア各国の独立への動きがどれだけ促進され、そしてもしもう少しでも重光氏がつかんだ外交的チャンスを活かしていれば、そもそも対米戦すら回避できたかもしれないということ。重光氏の芯を曲げない堂々とした外交交渉はあのチャーチルすら動かしたという事実が残っています。

そんな重光氏がイギリス赴任時代。特に対ドイツ戦に臨むイギリス人に対して語ったのが表題。

イギリスの空の守りは固かった。英空軍はやられても飛び出した。万歳を唱えるのでもなく、決死隊と名づけるのでもなく、隣家にお茶でも飲みに行くように小さな飛行機は突っ込んで行った。その効果はだんだん大きくなった。(p192)

重光氏は「戦争を政治の一部」とみているイギリス人の成熟度の高さを見るにつけ、興奮状態にあるドイツ人が勝てるわけもないと見抜いていました。
静かにそして深く国のことを考えるイギリス人の懐の広さ。振り返って自分たちを見ると・・・大騒ぎすることなく、着実に成すべきことを為すことは大切ですよね。