チャンスはピンチの顔をしてやってくる。

昨日、日銀短観が発表されました。

特に大企業の製造業が欧州金融危機円高、震災に続く、バンコクの水害によるサプライチェーンの崩壊で苦しみ、景況感が落ち込んでいます。

そして中小企業の先行きもまだまだ厳しい見方が多いようです。

そんな記事が出た日の夜にタイムリーな中小企業診断士向けのセミナーがあったので参加してきました。

講師は第一生命経済研究所 主席エコノミストの熊野英生氏。テーマは「2012年の日本経済見通しと中小企業経営について」。

マクロの話を中小企業の経営に結びつけて話そうと工夫されていて、大変ためになりました。

どんな話だったかをかいつまんでご説明すると・・・
(この文責は私にあります。)


来年の見通しを話すときに、経済研究所としては暗い、危ないという話をメインシナリオにはできないという前置きをされたのにかかわらず、あえてリスクシナリオを先に紹介、「欧州経済危機が個別行に波及した場合、資金供給面の不安から、企業経営が圧迫される可能性があり、特に来年の1-3月、4−6月は油断ができない」と指摘。

一方で明るいメインシナリオとして「ロンドンオリンピックが開催される年で、特に前回が北京=アジアの開催だったこともあって、久々のヨーロッパ開催に備えて、テレビ等の需要が欧米圏で盛り上がる可能性がある。そして、アメリカ・中国をはじめとした政権交代・選挙の年で景気対策が進む」ということで、アップサイド・ダウンサイドどちらにも大きく振れる可能性がある。


そんな中で日本、特に中小企業は、輸出を中心とした大企業が、海外シフトを組まざるを得ない中、その大企業に部品供給を供給する中小企業は高度化を図りながら、技術を磨いて生き残っていくことを考えなければならない。非製造業は、チャンスがある。そして、3次補正による震災復興で、東北地方が元気になっていくことが望める。と。

野田政権の経済政策に望まれるのは、「成長戦略」、特に雇用の創出。製造業は生産を調整する時、人をカットし、生産を増やすときは、機械を増やす。なんとか雇用をし、個人の所得が増えないと、消費が増えず、結果、税収も伸びない。

力説されていたのは、「チャンスはピンチの顔をしてやってくる。ピンチを逆手にとり、次の次を考えるのが大切です。」と。

私も、セレナのスタッフ一同も、皆さんとともに、次の一手を探したいと思っています。一緒に考えましょう。明日のために。