「同じことが何故あなたには耐えられないのか」

先ほどから雨が降り出してきました。これで少し涼しくなって寝苦しさから解放されるとよいのですが。

さて、診断士の扱う分野は本当に幅広く「メンタルヘルス」を専門分野にされている方もいらっしゃいます。

私は専門的に勉強をしたことが残念ながらありませんが、興味は持っています。今回は、その方面の本の中から最近たまたま読み返した辛さに耐える心理学 (PHP文庫)の話を少しだけさせてください。

今私が持っているのはソフトカバーで1995年の印刷。(上のリンク先は文庫しかなく、それも中古のみ。でも今読んでも新鮮さは失っていないはずです。)おそらく私が営業出たてのころに買った本でしょう。その当時は、この本を読んだことでかえって、落ち込んだり、反発心もあったことを思い出します。ですので、もしこの本を読むときは相当、体調や精神面で落ち着いているときにすることをおすすめします。

95年当時、この本を買おうと思ったのは、やはり「辛い」と感じたから。きっかけはやはり慣れ親しんだスポーツ中継から広告営業への異動だったでしょう。異動当初はいったい何をしたらうまくいくのかが分からなかったので、自分はここにいていいのだろうかくらいに悩んでいました。きっとこの本でいうところの「経験の足りなさ」から来ているもので、これは時が解決するものだといまでこそ多少理解ができるのですが、その当時はいったいどうしておれだけできないのかと空回りしていたような気がします。

それから1年したら営業という仕事が少し軌道に乗り始めて乗ってきたなと思ったのですが、そうしたら今度は仕事は増えてきて、重要な担当も持つようになり、今度は、なんでおれだけこんなつらい目に合わないとならないのかと、くよくよしている自分がいました。これも今読み返すと「他人もまた苦労をしていることにまで頭が回らない愚かしさ」なのでしょう。これも今考えてみれば上司はもっと辛い立場で戦っていたのがわかりますので。

やっと今になって、この本のいうところが少しづつわかって気がします。でもここまで来るのに不惑の歳を過ぎ、厄年も越えるまでかかりました。さらにそれでもまだ辛さと向き合うことが苦手な自分がいます。ここはこれからも自分の課題だと思っています。もし辛さに向き合って、なんとか克服したいとかうまく付き合っていきたいと思う時、強い味方になってくれる存在だと思いますので、これからもこの本には何度となく頼ることになりそうです。