「携帯放送」バトル 最終章

携帯向け放送の方式決定が佳境を迎えています。

日本最大手のドコモvsアメリカ発の実績ある技術を使用するKDDIとが周波数枠の関係で1枠しかない帯域をめぐって争っています。技術的には一長一短があって、どちらがよいかはいえない状況のようです。

自分はBSラジオ放送の参入時に番組担当をしていたり、携帯サイトの立ち上げを経験していたり、今でも新しいラジオ放送方式については関心を持っているのですが・・・。

この携帯向け放送にしても地上波デジタルラジオ放送にしても、ユーザーの視点や、番組の制作サイドとしてこんな番組を作りたいとか、こんな事業スキームが作りたいとか、いう話が聞こえてこない。結局、そのメディアにあった面白いコンテンツがあって、制作者が作りたいとかスポンサーがやって欲しいとかいうものがあるのかが勝負を分ける。にも関わらず、クリエイターの乗りや広告クリエイティブの鼓動の部分が聞こえてこないのが、普通の人たちに取って遠い存在の話になってしまっている大きな原因となっていると私には思えます。

また、新しいメディアの存在はそのメディアがなりたつかどうかはまた別の世界として、既存のメディアのコンテンツの希薄化や、希少性の損失による媒体価値の低下を産み、今の放送局はどちらにしてもその成り立ちを変化させざるをえない状況に陥っています。にも関わらず簡単には変われないさまざまな事情。それを乗り越えメディアとしてラジオが再生できるのか。これから数年が勝負のはずですが、変われるかどうか。いかに既存の事業を活かしながら、新しい事業を立ち上げるのか。そのためにも既存事業のリストラチャリングは欠かせないところ。かつて私が働いていた職場が今後どうなるのか。気になるところでもあり、半分見たくないところであったりもします。自分の身を切る努力ができるのかどうか。本当に厳しい話です。