アメリカンビューティー

最初は勇気が無くて、普通のウイスキーソーダを飲みました。
店主のバーテンダーさんが遠慮がちにお水を出してくれます。
2杯目。勇気を出して、カクテルを頼んでみました。店主の表情が見る見る変わりました。

グラスを一度決めて、やっぱり変えて。裏に回って準備して、戻ってきて。そうしたら、涙をこらえきれずに、俯きながら。10分ほどかけて、一杯を作ってくれました。

「お待たせして申し訳ありませんでした。
アメリカンビューティーをアレンジしたものです。強めのお酒がお好きでしたのでブランデーベースのものをチョイスしました。原色系のドレスでよくいらしてくれたので、青とどうしようかと迷ったのですが、赤を選びました。明るい赤(グレナデンとオレンジジュース)に濃い赤のポートワインを垂らしています。甘いですけどハードです。」
グラスの縁にはレモンピールでエンジェルがついていました。

彼女がBGMのコーディネートをした名古屋 錦のバー
深夜名古屋について、ホテルからふらふら歩いて30分。もう午前1時近くでやっていないかなと思う時間に、この店はまだやっていました。来た甲斐がありました。そして、2杯目に彼女をイメージしたカクテルを作ってくださいとお願いしました。

カクテルは3−4口で飲み干すものですが、とてもそのペースで飲むことはできず、ゆっくりといただきました。本当に名残惜しかったのですが、気持ちを込めて最後の一口を飲んでそのバーを後にしました。20年強前、社会人1年生の時、バーでのお酒の飲み方を教わったことに本当に感謝したひとときでした。