本が売れる理由。

昨日の深夜からの雨。きっと蒸し暑い空気とこれから強くなる冷たい空気とのせめぎ合いの狭間で降ったものだったのでしょうね。今朝から急に涼しく、秋らしくなってましたね。

さあ、読書の秋です。どんどん読み進めていきたいと思います。

今日も2年前ほどに買った本。「養老孟司の大言論〈1〉希望とは自分が変わること」 から気になったところを。



養老氏といえば、大ベストセラー「バカの壁 」(新潮新書)でおなじみ。

その養老氏が季刊雑誌「考える人」に9年間連載した文章が3分冊で発刊されています。1巻をまず読んだ感想ですが、旅行記やら随筆っぽいものが多くて、あまり難しい内容はないのに、ところどころに、「ん!」と考えさせられる中身があって、面白い本です。

そんな著者が本について書いている章「読む」とはどういうことか、からご紹介。

なぜ、若者が本を読まなくなっているのかの著者の考え方は、そういう考え方もあるのかとうなりました。

そして、もう一つ、最近、どんな本がベストセラーになるのかの考え方はひねりがあります。


しかし本が売れる理由なら、私自身も読むから、わからないではない。たとえば「ハリー・ポッター」はなぜ世界中で四億冊以上も売れたのであろうか。これは「千と千尋の神隠し」が空前の観客数を動員し、マンガが売れ、ひいては「水戸黄門」が終わらないのと同じことであろう。その理由は、パッケージに「まっかなウソ」と振ってあるからである。

(中略)

なぜなら、人々は安心してその世界に入れるからである。入り込んだところで、はじめからウソじゃないか。それならいつでも外に出られるのである。出ようと思えばすぐに出られる、おばけ屋敷みたいなものである。

ノンフィクションより、フィクションなんですねぇ。子供の頃、伝記をきっかけに本を読み始め、柳田邦男氏や立花隆氏からノンフィクションを読み漁った私のような読書はやっぱり少数派・・・なんでしょうね。