「その仕事に没頭している。」

3連休の最終日、今日が一番天気に恵まれそうですね。ツイートではこんなのが流行っているようですが。。。私は、マイペースで今日も本読みです。



今回紹介するのはダニエル・ピンク著「モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか」

原題は「Drive」。日本語でいうと「やる気」ってとこでしょうか。

土・日に趣味でやることは、別に無報酬でも喜んでやるのに、仕事になるとやる気がでない。そんなことありませんか。

この本には、どうしてそうなるかのメカニズムについても書いてあります。一言で言うと「報酬には依存性がある」から。最初はお小遣いがもらえて喜んでいても満足するとそれ以上もらえないとやる気を失う。そんなことありませんか?

そこでこの本はやる気(Drive)を湧き立たせる元=モチベーションの源泉を「自律性」「マスタリー」「目的」という3つの要素で説明しています。

自らの意思で行動を決める。意義あることの熟達を目指して、打ち込む。さらなる高みへの追及を、大きな目的へと結びつける。(P121)

この「マスタリー」=熟達の説明に、著者はチクセント・ミハイルの「フロー」の概念を用いています。


もっとも重要なのは、フローにおいては、やらなくてはならないこと、できることの相関性がぴったりと一致する点だ。課題は簡単すぎず、難しすぎない。しかし現在の能力よりも一、二段高く、努力という行為がなければ、とても到達できないレベルのことをほぼ無意識のうちにやっている。これが心身を成長させる。このバランスが、その他の月並みな体験とまったく違うレベルの集中と満足を生み出す。フローの状態では、その状態をきわめて深く生きており、完全に思いのままになると感じ、時間や場所、自分自身でさえ存在を忘れるような感覚を抱く。当然、フロー体験で人は自律的である。だがそれ以上に、その活動に打ち込んでいる。詩人のW・H・オーデンが詠ったように「その仕事に没頭している。」(p166)

ほおって置くのでもなく、厳しく指導するのでもなく、1〜2ランク上の仕事に自らチャレンジするように動機づける。難しいことではありますが、本人と組織の成長のためには欠かせないことのようですね。