「メディア・コングロマリット」がもたらす新世界

お盆も明けて、ご先祖様も、故郷に帰った皆さんもお帰りになったことと思います。
夏もあとわずかですね。

今日、ご紹介する本は、昨日同様新書なのですが232ページ内容がびっちり入っていて、気軽に読めるというタイプではなく向き合って読まないとならないタイプの本かもしれません。正直、私はタイトルを見たとき、「i-phone」とか新しいメディアデバイスで何が来るかみたいな話かなと思ったのですが、話の方向はこの要素もないわけではありませんが、中心はそうではありませんでした。


河内孝著「次に来るメディアは何か」 (ちくま新書)。河内さんは元毎日新聞の記者で、今は国際厚生事業団の理事とともに、慶応や東京福祉大学で講師を務めていらっしゃいます。エピローグによれば、この本は慶応のメディア・コミュニケーション研究所の「メディア産業論」の講義録的な性格を持つとも言えると書かれています。確かにアメリカや日本などのここ最近のメディア状況を俯瞰した後、メディアの経営状態やメディアグループの姿を解説していますから、大学院で学ぶ代わりに本で知識を吸収してこれからメディアをどうにかしてやろう(あ、私もそうかも)という方にはもってこいです。

そして、現状のメディア産業が苦境を乗り切るためには「ワンソース、マルチユース(同じ材料を様々に使うこと)」を徹底する必要があり、その結果数年後、日本のメディア界がどうなっているのかを大胆に予測しています。グループ再編やここがどうなるみたいな話もあったりして・・・。

高度な経営能力と国際経験が求められ、広範な事業分野について専門知識を身につけていることがメディア・インテグレーターの経営者には必須である。(pp220-221)

面白い時代が来たと私には思えます。もしメディアの中の方で、一緒に準備がしたいという方がいらっしゃれば、勉強会とか開いてみたいものですね。メディアと経営を結びつけないと生き残れない時代がもう目の前に来ています。