大切な思い出。

昨日、用事があり、中学と高校通じて4年間通った千葉県市川市国府台(こうのだい)に行ってきました。

夕方、母校にもほんの数分立ち寄ってきたのですが、もうあれから25年もの月日が経っていても、「あの頃」が鮮明に蘇ってきてきました。もしあの頃の同期がいたら、すぐにでも夏休みの文化祭の準備にかけていた(鴻陵祭コウリョウサイという名前で現役生だけでなくOBも応援に来るほど大切なお祭りだったのです)頃の話で盛りあがっていたことでしょう。苦しくて切なくて、もうあの頃には戻りたくもないとも思うけれど、自分にとって大切な時間をすごして成長させてくれた空間だったということをしみじみ感じたひと時でした。


今日、ご紹介するのはこの前の直木賞受賞作、中島京子「小さいおうち」。主に戦中に女中さんとして働いていたおばあさんの思い出話が物語の主。戦時中においても明るさを失わず暮らしていた平井家と女中タキさんとのかかわりが、タキさんの目線からいきいきと描かれていてこれだけでも普通の小説として読めます。最終章を読むとその味わいがさらに深くなりました。なるほど、ここが受賞のポイントなのかなと思った次第。どんな家にもその家なりの小さな秘密を抱えている。・・・その秘密を抱えた人はどんな想いを持って、どのように暮らしていったのでしょうか。


ちなみに私が元職時代、番組内本の紹介コーナーを始めてもらうのに当たって、当時朝ワイドのチーフをしていた彼にどうしてもブログをやってほしいとお願いしたのがきっかけになって、いまだに根強い人気で続いている「嫁に隠れて本を買う!」に中島さんについてのエントリーがありました。首藤さんのブログはいつも本選びの参考にいつもさせていただいていますし、読み物としても面白いので、ぜひ参考にしてみてください。



ps.そろそろラジオディレクターの(3)書くつもりです。