「欲望に忠実になると、人生は間違いなくしんどい。」

本を買う時って、勇気がいることってありませんか?

専門書を買う時・・・本当は素人なんですけど、と自信なさげに。
恋愛小説を買う時・・・男のくせにと思われたくなくて、なんとなく人から頼まれた風を装ったり。
ちょっとえっちな内容の本・・・他の本に挟んでみたり、ついでに買ったという演出をしてみたり。


今日、ご紹介する「アダルト・エデュケーション」。はっきりいって、かなりきわどいというか、そのものというか、「心と躰」のお話。比較的最近書かれた「W/F ダブル・ファンタジー」
とか今回の「「アダルト・エデュケーション」はやはり内容がかなり過激で、新聞広告等にも紹介が出ているだけに店頭で買うのはちょっと私には勇気がいる類の本です。(私はネット書店で買っているのでよいのですが。)

作者の村山由佳さんといえば、「天使の卵」「天使の梯子」など、ちょっと切ない痛みを伴った青春恋愛小説で、人気を博した方。ところが「ダブルファンタジー」あたりからがらっと過激さを増し、いままでの作風とは大部変わってきました。でも、今回の作品も題材、設定や表現が違っていても、やっぱり描いている世界が村山由佳さんらしいんです。


つながっていても、つながらない気持ち。もどかしくて届かなくて伝わらなくて。そして、傷つきながら、成長して、または自分が本当に何がしたいのかに気がついて新しい世界に踏み出して、生きて行く。こういう世界を表現するのはさすが。そこに引きづり込まれてしまって、ついつい読み進めて行きたくなってしまいます。

12の物語の中身や設定を紹介するとそれ自体、ねたばれになりそうなのでやめにしておきますが、それなりにハードな設定です。ちょっと「おとな」のあなたにお勧めということにしておきましょうか。(タイトルは「あとがき」からの引用です。)



もう少しピュアな村山さんの小説のお話は引き続き後日にでも。