葬式は時代に合わせ、変わっていくべきです。

昨日に比べこちらはさらに涼しくなり、朝5時ごろ外は半袖では肌寒いほどでした。飲み過ぎた体に負担がかからない、いいコンディションで助かりました・・・。

さて、お葬式をテーマにした新書のご紹介PART2です。

序章から「葬式無用論への反論」と前にご紹介した「葬式は、要らない」 (幻冬舎新書)(2010年1月刊)を意識して、3月に出されたのが、一条真也「葬式は必要!」 (双葉新書)

一条氏は大手冠婚葬祭互助会の社長で、北陸大学の客員教授。葬儀に関する本も出されているようです。

ただこの業界をある意味代表する立場の一条氏ですら、今さまざまな形での葬儀、埋葬の形があって、「葬」の在り方は様々であっていいという論旨を展開。いままでの寺院または会堂等での仏教またはほかの宗教による葬儀から火葬があって墓地にという典型的な形だけでないことを、例えば自然葬(海への散骨等)などの形があることを強調しています。また日本独特の社葬の意味合い、お寺の役割なども押さえています。


その上で、「葬式は、要らない」については、

島田氏はけっして「葬式は、要らない」とは述べていない(p154)

と島田氏を擁護。特に戒名や墓の問題に島田氏の批判は集まっているとし、葬儀自体をなくそうとしているわけでないことを強調。ただその一方で葬式は贅沢で構わない。というのは人間関係が豊か=贅沢であれば自然と人は集まってしまうからだと言う論旨を展開しています。

なぜ、葬式は必要かについては第8章で映画「おくりびと」、天童荒太氏の「悼む人、、丸山登著「弔いの日々」、新藤兼人氏の映画「裸の島」、上野千鶴子著「おひとりさまの老後」内田樹著「街場の教育論」など様々な本や映画の例などから葬儀の意味合いを丁寧に説いています。

こうした現状、現実にあった葬式の在り方を考えた上で筆者は「葬式は必要」だと結論づけています。

この本は葬儀を行う経営者の立場から書かれた葬儀擁護論ですが、さらに現場に近い方の書いた葬儀論を次にご紹介したいと思っています。