「ようし、それなら釣りだ」

今は暑いですねぇ。一度は涼しくなっただけにこの蒸し暑さはこたえます。

とはいえ、多少でも秋めいて来ての外気温の変化は、海水の対流を促進し、魚釣りにもよい季節。3連休に楽しまれていた方も多いのではないでしょうか?(月曜日のナイターヤクルト中日の中継アナ・ニッポン放送松本秀夫氏も、実況中に釣りの話題を取り上げていました。あの方も大の釣りファンらしいです。)

で、このタイトル・・・魚を釣る話なのですが、別に行楽とか趣味という文脈でなく、サバイバルとかリーダーシップのお話の文脈なんです。


月曜日、お墓参りに行く電車の中で読んだのが、門田隆将著「この命、義に捧ぐ~台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡~」

本筋の話は明日、させてもらうとして今日はエピソードを一つご紹介させてください。
この本の主人公、根本博さんは恩返しをしたいという大切な使命、とはいいながらもその恩返しのために命がけで、戦後まもなくで、普通に海外などに行けない日本から、戦争状態である台湾に密航しようとします。ぼろぼろの船がなんとかチャーターできたものの、途中で機関は止まるし、食料も足りないし・・・。そこでリーダーである根本氏が発したのが、この言葉。

 

「ようし、それなら釣りだ」
 根本のいいところは、決して悲観的にならないことだ。いつも前向きに事態を捉えて、部下たちを不安にさせずにやってきた。総指揮官が頭を抱えたり、不機嫌になったりすれば、部下の士気は落ち、心理的にも不安定になる。
 根本は沈鬱な空気を吹き払うようにそういうと、朝食が終わるや、さっそく船の最後尾に腰をかけて「曳き釣り」を始めた。(pp110-111)

こういうムードメークと、即実行できるフットワークの良さ。これが極限状態の中で出るのがすごい。自分にはとても望めないけど、できる限りのことはできるようになりたいなぁ。

釣りの結果ですが、このあと、昼用には多少釣れたものの、夕食用は全く釣れませんでした。この後、どうなったかとか、この本のストーリーについてなどはまた明日に。

著者の門田さんですが、ノンフィクションで素晴らしい物語を紡いでいる方です。NHKのドラマで話題になった元ロッテ高畠コーチの学校教師チャレンジの物語「甲子園への遺言」学習院大学野球部の快進撃を描いた「神宮の奇跡」の2冊は読みましたがすがすがしい読後感がありました。

そしてこの度、WOWOWのドラマで「なぜ君は絶望と闘えたのか」が放送されるようです。まだこちらは読んでいないので、早めに読んでおきたいと思っています。