絶望と闘う

旅行、特に一人での移動が多い時には読書が進みます。

今回は文庫と新書、各1冊を読了したのですが、それぞれに興味深いものでした。

特に今日、ご紹介するのは、ここであらすじを紹介するのもどうかと思うくらい、重く、悲しく、そして考えさせられた本です。正直、何度も読書を中断し、また気を取り直して本に向かうということが続きました。

9月22日のエントリーでもタイトルをご紹介したなぜ君は絶望と闘えたのか―本村洋の3300日 (新潮文庫 か 41-2)。私はもともとノンフィクション作品が好きなのですが、それにしてもこの本で取り上げられた「光市母子殺害事件」の衝撃的な事件の中身と圧倒的な事実の積み重ね、その影響の重さ、人々の思いが大きくて、簡単にまとめるということが今の私には正直難しいです。「死刑」「罪の重さ」「犯罪被害者の人権」「少年法」「更生」「裁判制度」。いろいろなテーマでこの本を語ることができますが、本当に考えさせられました。「命の重さ」が死刑によって意識させられることがあるなんて・・・。

時間と気持ちの余裕があるときにじっくり取り組んでいただきたい本です。ぜひ読んでいただきたいのですが、落ち込んでいる時とか、慌ただしい時に読むのはお勧めできませんので、その点はご注意のほど。