「就活をめぐる悪循環を断ち切るために。」

最近、「基金訓練」のお知らせを何回かさせていただいていると思います。
このブログでは「基金訓練」について、今年の1月から何度となく書いているのですが、最近facebooktwitterを始めて、このブログの訪問者の層が少し変わってきたと思いますので、(訪問者が増えているようでうれしい限りです)改めてここでちょっとご説明をさせてください。


基金訓練」とは、失業手当が受けられない方を含めた求職者の方々を対象に、各種の企業や団体が、中央職業能力開発協会の認定を受けて行う無料の職業訓練のことで、弊社はこの3月に2コースの認可を受け、現在は基礎演習6か月コースの講義を続けています。

この事業は弊社に移ってきたばかりの新担当がこの制度をみつけてきて、弊社の前身が教育訓練をやっていたとか、たまたま講師を担当できる資格ホルダーが揃っていたとか、社内研修のための講師を続けていたなどのいくつかの要素が重なってわずか半年足らずで立ち上げたもの。弊社のキャッチフレーズにもある「想いをサポートする」ことにも合致する社会的ニーズにも合うお仕事だと思って、現在私も週2度ほど講師に立って、全力で取り組んでおります(汗)。


基礎演習コースには、就職をしたことのない方や、すぐ会社を辞めてしまったなど職業経験が浅い方が対象ですので、職業知識の習得の他に、「働くということを考える」ための講座や、「職業を知る」ための講座、「働くための心構えを説く」講座などの設置が義務づけられています。そのために私もジョブカード講習、ワークガイダンス講習等を受講していますし、ゲスト講師を交えての講義も実施しているのですが、それだけでは満足できませんので、ここでも本の力を利用させていただいております。

今日はそんな本の中から、同志社大学社会学部産業関係学科編「“働く”を学ぼう―仕事と社会を考える」のご紹介を。

この本は「雇用や労働について学ぶ学科」である「産業関係学」の先生が大学生を対象に、今日本の社会が「働くこと」に関して抱えている様々な問題をわかりやすく解説しています。

特に就職活動の早期化は先生方の悩みらしく、随所で「就職活動のための小手先のテクニックを身につけるより本当は4年間しっかり学問や体験を積んだほうが社会のために望ましい」ということを強調されています。


そんな中で今日のタイトルはこの本の第一章から抜粋しています。そこでいいたいことはおそらくこの章の最後(P27)に書いてあることなのでしょう。

正課や課外活動を通じて、深い専門知識と教養を手に入れ、未知なるものに対処できるようになる。流行りの「コミュニケーション能力」や「問題解決能力」もあえて身につけようとしなくても、本分をまっとうする中で自然に身につくものです。やるべきことをやり遂げられれば、自然に道は開け、チャンスだって何度でも引き寄せられるでしょう。(中略)
だから学生の皆さんは、四年間の大学生活を、そういう意味で味わい尽くすことが大事です。

同志社という歴史ある大学ですらこういうことができていない、訴えなければならない現状では、大学に進学できなかった人や、一度仕組みからこぼれてしまった方々のフォローがどれだけ難しいかは推して知るべしでしょう。

ですから我々のような教育関連業がサポートすることが必要なのだと思いますし、弊社も本当に微力ではありますが一緒に「働きたいという方の希望をかなえるための環境作り」のために努力をしていかねばと思っています。