「活動が社会に認められるとき、NPOは仕事になる。そして世界も変わる」

3月スタートの基金訓練(職業訓練)の6か月コースの講義も残すところ、あと1週間ちょっと。我々にとっては手探りでのスタート。特に震災直後のスタートで「計画停電」「間引きダイヤ」などのハプニングもあり、3月・4月はいったいこのあとどうなるのか。先の見えない日々でした。

その後、徐々に生徒も教える方も慣れてきましたが、今度はどうやって内容を充実させるのかを考える段階に。
「働くことを考える」という国・制度的なオファーと目の前にいる生徒さんの要望を考え、どう講義を展開するのか。結構ここも悩みました。

そのため、「働く」ということのテーマの本をまとめて数冊買い込んだのですが、今日はその中から、あえてサラリーマンという途以外の選択をされた方のインタビュー集をご紹介します。

森 健著、「勤めないという生き方」

職人、地域振興、ショップ、農業、NPOという5つのスタイル、合計13人の「勤めないという生き方」が紹介されています。それぞれの独立を考えた理由とそこからの苦闘ぶりが丁寧に掘り下げられていて、単なる「成功物語」には終わっていないところや、理念だけではなくそのあとの現実も語られているところが魅力的です。

今日のタイトルはモデル13、認定NPO法人ACE代表の・岩附由香さんのお話から。
ACEは、児童労働の撤廃と予防に取り組むことを目的に活動されています。

NPOは理念やアドボカシーが大事であることは確かです。それなしには運営はできないし、存在意義もない。でも、いくら理念がよくても資金がなくては活動できない。だからどこのNPOも資金調達で悩む。ただし、資金のことだけ考えてもうまくいかない。民間のベンチャーと同じで、どういう事業をやり、どう人を配置し、どう運営するのか、という経営が一番の問題なんです。」(p256)

今、私もNPOの活動をほんのちょっとだけお手伝いしていて、力不足を痛感している身として、この言葉は身に沁みます。

ブログタイトルはこの章(pp256-258)のタイトルを使わせていただきました。