「それは、インテリジェンスの真空地帯・日本に舞い降りた」

9・11と3・11。

この二つの関わりを、アメリカと日本の外交関係、国際政治を舞台にした「インテリジェンス」というキーワードで読み解いたノンフィクション短編集、手嶋龍一著ブラック・スワン降臨―9・11‐3・11インテリジェンス十年戦争

昨日、ご紹介した本に続けて数時間で一気に読みました。

冒頭のアメリカ オバマ大統領の孤独な決断。作戦を悟られないための偽装ゴルフ。そこから管総理の強引な原発視察まで。「なるほど、ストーリーはこうつながるのか。」ノンフィクションでありながら、現在進行形の一つの物語としても読める作品だと思います。

この後、野田政権、そして橋下氏の旋風、11月のアメリカ大統領選とさらにこの物語はさらに進むことと思います。その時、日本が少しでもよい方向に進んでくれるとよいのですが。

ちなみに「ブラック・スワン」、統計の世界では黒いハクチョウとはあり得ないと思われる事象が起こること。数学的に計算できる「リスク」を越えた「不確実性」のことをいいます。こちらについて、興味のある方はブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質も是非ご一読を。

その上でこの本では、こないはずのものがやってきたというのと、空飛ぶ物体を掛けてある・・・さすが手嶋流ですね。