「まんまとしてやられた」

東日本大震災関係の本が続きます。

今度は、フィクションです。
真島仁著「コラプティオ」

真島氏といえば難しい経済事象を小説という形でうまく紹介し、テレビドラマや映画にもなった「「ハゲタカ (講談社文庫)」」でおなじみだと思います。

この「コラプティオ」では、執筆時にまさに発生した東日本大震災の関連の動きをもストーリーに取り入れつつ、国内政治や国際情勢までもを取り入れたスケールの大きい「同時代小説」にまとめ上げています。

コラプティオとは「汚職・腐敗」を意味するラテン語です。最近、不可解な辞任劇が続く日本の政界の裏を見る感覚で読んでみても面白い本だと思います。今回のテーマは震災後の原子力政策。記者の一本のスクープ記事から、政治家、研究者、記者の3人の立場が交錯しつつストーリーが展開していきます。ちょっとした生真面目さと、世の中の現実とが重なりあってできるドラマ。目が離せませんでした。

「まんまとしてやられた」はp117からの引用ですが、これは私のp27〜の布石から後ろの方を読むに従って感じた感想でもあります。


次はいったん震災関係を離れて、絵本をご紹介しましょうかと思っています。