『あの巨大地震と大津波の中で、「何があったのか」』

 3連休初日ですね。やりたいことを今日はまとめて片づけようと思い、本を持って外出しました。

 持っていったのは門田隆将著「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日」

 福島第一原発に関する書籍は、報告書(このブログでも福島原発事故独立検証委員会著「福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書」を取り上げました。)や、新聞記者によるノンフィクションものが多数出ていますが、少し時が経って、じっくりと取材し、登場人物の思考、判断、歴史なども掘り下げたものノンフィクションがこれから、徐々に出ていくのだろうなと思います。

 
 門田隆将氏は遺された犯罪被害者の立場を掘り下げた「なぜ君は絶望と闘えたのか―本村洋の3300日」や、戦争もの(このブログでは「この命、義に捧ぐ」を取り上げました。)など、優れた作品を連発しているノンフィクションライター。その門田氏が、事故当時福島第一原発所長だった吉田昌郎さんと一緒に働いた職員、関連会社、そしてこの危機の中飛び込んでいった自衛隊員などのインタビューを通じて、あの原発で「何があったのか」のかを、事実を積み重ねることにより掘り下げた作品。


 

この作品で描かせてもらったのは、原発事故の「悲劇の実態」と共に、最悪の事態に放り込まれた時に日本人が発揮する土壇場の「底力と信念」だったかもしれない。(p374)

 行き帰りの電車や献血しながらも読んでいたのですが、皆さんがこの事故に立ち向かった姿に、正直何度もこみあげてくるものが合って、抑えるのに必死でした。

 吉田前所長は現在闘病中とのこと。吉田氏の早いご回復と、福島の少しでも早い復興をお祈りしたいと思います。