勝利の方程式ではなく、勝負の方程式を−ビジネス・マネジメント・スタジアム

 あっという間に2月ですね。2月1日といえば「球春」。キャンプインです。特に今年はWBCがあるので、主力選手の仕上がりが早そうですね。

 今日ご紹介する本は、小山龍介著「ビジネス・マネジメント・スタジアム」

 ん、「ビジネス・マネジメント・・・」なのに、冒頭野球の話題だったのはなぜ?・・・ポイントは最後の「スタジアム」。実はこの本、おととしまで中日ドラゴンズを指揮していた落合博満前監督のマネジメント思想を元に書かれた本なのです。

 落合監督は、選手を大人扱いし、選手のミスプレイや期待に応えられなかったことも指摘はしません。その代わりプレイの責任は自分にある。だから使わない。使ったら使った責任は自分が負います。

 全力を尽くしても、必ずしもいつも勝てるとは限りません。

 勝負には相手が存在します。打者がヒットを打つためには、投手がボールを投げなければなりません。相手がいるゲームにおいて「絶対」ということはないのです。
 そしてこれは、ビジネスも同様です。ヒットメーカーと呼ばれる人がいますが、優れた成果を上げてきた人であっても「必ず売れる商品」をつくる方程式はもっていません。なぜなら、それを受け取る消費者側の心理が、常に変化し、一定ではないからです。
 相手がいると、事態は必ず複雑になっていきます。このなかで「勝利の方程式」など描けないのです。

 しかし、勝利できるかどうかわからないけれども、そこで勝負することはできます。自分の中の<因>を信じて勝負をかけるということは、誰しも可能です。
 
 勝利は万人に開かれているわけではありませんが、勝利のチャンスは誰にでも平等に訪れます。負け戦になる可能性が高くても、そこで勝負をすることが、次の可能性を開くかもしれません。
 たとえばピアノを必死に練習しても、必ずしもプロの演奏者になれるかどうかは保証されていません。でもそのリスクを取らない限りは、可能性は生まれません。
 自分の<因>を信じる。そして他人の<因>を信じる。そこに、セルフマネジメントを含めた、マネジメントの本質があります。(pp208-209)

 全力を尽くして「勝負」しましょうか。きっとその「勝負」の結果に関わらず、得られるものがあると思います。私も懲りずにまた新しい勝負・チャレンジをするつもりで準備中です。3月にはまずその一つが発表できるといいな。と思っています。